(Pt:患者 / 頭医:頭痛専門医)
Pt:最近、片頭痛ってよく聞きますけど、実際どのくらいの人がなるんですか?
頭医:いい質問ですね。実は片頭痛はかなり一般的で、世界全体では約15%、10億人にもなります。つまり「7人に1人」くらいが経験する病気なんです。緊張型頭痛の方が多くて19億人、これは4人に1人になると言われています。また、感染後に頭痛がある人も多いので、全く頭痛を感じたことがない人は少ないと思います。ただ、生活の質を下げるような頭痛の代表例は片頭痛なので、片頭痛について話しますね。
Pt:そんなに多いんですか!?日本ではどうなんですか?
頭医:日本ではやや低めで、おおよそ8%前後とされています。ただしこれは調査方法によってかなり変わります。
Pt:男女差ってありますか?
頭医:はい、これはとても重要です。女性の方が男性の約3倍多いとされています。特に20〜30代で発症がピークになります。
Pt:なるほど…。年齢によっても違うんですね。
頭医:そうです。35〜40歳前後で有病率がピークになり、子どもや高齢者では比較的少ない傾向があります。
Pt:人種とか国によっても違うんですか?
頭医:はい、そこも非常に興味深いところです。例えばアメリカの研究では、
白人 > アフリカ系 > アジア系の順で頻度が高いと報告されています。
Pt:えっ、それって体質の違いですか?
頭医:完全に遺伝だけでは説明できません。文化・生活習慣・医療へのアクセスの違いも大きく影響していると考えられています。
Pt:症状も違うんですか?
頭医:少し違いがあります。例えば、アフリカ系の方は吐き気が少ないが、痛みは強い傾向があると言われています。
Pt:日本人ってどうなんでしょう?
頭医:面白いデータがあります。日本では約8割の人が「痛みを我慢する」傾向があるとされています。
Pt:確かに、病院に行かずに我慢しちゃう人多いかも…。
頭医:その通りです。例えば、ニューヨークと東京を比べると、受診率は東京2.7%に対してニューヨークは36%と圧倒的な差があります。
Pt:そんなに違うんですね!それって問題ですよね?
頭医:はい、大きな問題です。片頭痛は単なる頭痛ではなく、仕事の欠勤や生産性低下につながる「社会的損失の大きい疾患」なんです。
Pt:どれくらい影響があるんですか?
頭医:アメリカでは、年間1億5千万日以上の仕事損失、経済損失は170億ドルとされています。
Pt:それはすごい…。もう国の問題ですね。
頭医:まさにその通りです。だからWHOも関与して、頭痛の疫学を世界的に標準化しようとする動きが進んでいます。
Pt:最後にまとめるとどうなりますか?
頭医:まとめると、片頭痛は「人口の約1割以上が持つ非常に一般的な病気」であり、女性に多く、若年〜中年でピーク、人種や文化によって差があり、日本では特に「我慢文化」が問題になっている、ということですね。
————————————–
頭痛の駆け込み寺
頭痛専門医 島田医師がわかりやすく頭痛について解説をする
●目的:
頭痛患者は多く、どの診療科でもよくみられる愁訴に関わらず、頭痛専門医(※)は少ないのが現状である。頭痛専門外来では、1日診られて100名程度、しかも患者1人に付き長くても5分程度しか割けない。そこで伝えきれない内容を補える専門医による情報発信の場をつくる。
それにより、わざわざ外来に訪れなくても解決できる内容や、ネット検索して誤った情報を得てしまう方に対して、安心して専門医の話を聞ける場所ともなる。
**
※頭痛専門医とは?
日本頭痛学会が定めた申請資格(医師免許証・頭痛関連学会の専門医・5年以上の研修・頭痛関連疾患に関する発表など)を有し、資格審査および試験により認定された医師。
**
●島田医師プロフィール
《経歴》
平成21年杏林大学 医学部卒業
杏林大学医学部付属病院 脳神経外科入局
都立神経病院
杏林大学医学部付属病院
都立多摩総合医療センター
水戸ブレインハートセンター
東京大学医学部 特別研究員
《学会・専門医》
日本脳神経外科学会 専門医、指導医
日本脳卒中学会 専門医、指導医
日本神経内視鏡学会 専門医
日本頭痛学会 専門医
日本医師会認定産業医


コメント