(Pt:患者 / 頭医:頭痛専門医)
Pt:頭痛って、どんな程度の痛みでも治療してもらえるのかな?
頭医:そうだね、一次性頭痛の場合でも、たとえ重症でなくても、生活に支障が出ていたり、患者さんが痛みをつらいと感じていれば治療の対象になるんだよ。特に、日常生活に影響が出ている場合は、積極的に治療するべきだとされているんだ。
Pt:じゃあ、片頭痛や緊張型頭痛も治療の対象なんだね。どれくらいの人が頭痛で困っているの?
頭医:日本では、片頭痛の有病率が8.4%、緊張型頭痛は22.3%とされているんだ。でも、片頭痛のうち、日常生活に支障が出ている人が74%もいるんだよ。緊張型頭痛は影響が少ない傾向があるけど、慢性的なものでは40.5%の人が日常生活に支障を感じているんだ。
Pt:それだけの人が困っているなら、治療が必要だね。どんな治療がされるの?
頭医:片頭痛の場合、頭痛の重症度に応じて「層別治療(stratified care)」っていう方法が使われるんだ。軽い症状なら市販の鎮痛薬でもいいけど、支障度が高い場合は、トリプタンという片頭痛に特化した薬が使われるんだ。アメリカのデータだと、片頭痛患者の25%が予防薬を使うべきとされているけど、実際に使っているのはその半分くらいだね。
Pt:予防薬があれば、もっと早く治療ができそうだね。でも、自己判断で市販薬を使うのは危険だったりするの?
頭医:そうだね。市販薬は軽い片頭痛には有効だけど、過剰に使うと「薬物乱用頭痛」っていう新たな頭痛を引き起こすことがあるんだ。だから、特に症状が頻繁に出る人は医師に相談して、適切な治療を受けるのが大事だよ。
Pt:なるほど、頭痛だからといって我慢せずに治療を考えたほうが良さそうだね。
頭医:そうだね。日常生活に支障が出ているなら、適切な治療で生活の質を上げることができるから、早めに相談することが大切だよ。
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頭痛の駆け込み寺
頭痛専門医 島田医師がわかりやすく頭痛について解説をする
●目的:
頭痛患者は多く、どの診療科でもよくみられる愁訴に関わらず、頭痛専門医(※)は少ないのが現状である。頭痛専門外来では、1日診られて100名程度、しかも患者1人に付き長くても5分程度しか割けない。そこで伝えきれない内容を補える専門医による情報発信の場をつくる。
それにより、わざわざ外来に訪れなくても解決できる内容や、ネット検索して誤った情報を得てしまう方に対して、安心して専門医の話を聞ける場所ともなる。
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※頭痛専門医とは?
日本頭痛学会が定めた申請資格(医師免許証・頭痛関連学会の専門医・5年以上の研修・頭痛関連疾患に関する発表など)を有し、資格審査および試験により認定された医師。
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●島田医師プロフィール
《経歴》
平成21年杏林大学 医学部卒業
杏林大学医学部付属病院 脳神経外科入局
都立神経病院
杏林大学医学部付属病院
都立多摩総合医療センター
水戸ブレインハートセンター
東京大学医学部 特別研究員
《学会・専門医》
日本脳神経外科学会 専門医、指導医
日本脳卒中学会 専門医、指導医
日本神経内視鏡学会 専門医
日本頭痛学会 専門医
日本医師会認定産業医
▶YouTube : https://www.youtube.com/@頭痛の駆け込み寺
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