A-20. 一次性頭痛で入院しないといけないのはどんな病気なの?

頭痛一般

(Pt:患者 / 頭医:頭痛専門医)

Pt:頭痛で入院が必要になることってあるの?

頭医:あるよ。特に一次性頭痛の場合でも、いくつかの基準があって、それに該当すれば入院が勧められることがあるんだ。例えば、片頭痛がどうしても治療に反応しない場合や、生命に危険がある二次性頭痛が疑われる場合は入院が必要になることが多いよ。

Pt:具体的にはどんな基準があるの?

頭医:まず、1つ目は「命に関わる二次性頭痛が疑われる場合」だね。それ以外にも、次のようなケースが入院対象になるんだ:

1. 難治性の片頭痛や治療に抵抗する頭痛の場合

2. 悪心や嘔吐が強くて脱水症状がある場合

3. 外来診察だけでは頭痛の診断が難しい場合

4. 頭痛発作を実際に観察して診断が必要なまれな頭痛の場合

5. 特殊な治療の効果を確認したいとき

6. 繰り返し起こる重度の片頭痛(片頭痛発作重積)

7. 難治性の三叉神経や自律神経の関連頭痛

8. 薬物乱用頭痛(MOH)を伴った慢性片頭痛

Pt:そういう状況だと入院が必要になるんだね。入院中はどんな治療がされるの?

頭医:まず、薬の量を慎重に調整して、症状が連日続かないようにする治療がされるんだ。さらに、もしMOHがある場合には、その対処も行うよ。また、公認心理師のサポートを受けたり、薬の影響を心拍や血圧でモニタリングしたりもするんだ。退院後も症状が出た時の対処法についての教育も受けることがあるよ。

Pt:なるほどね。入院中に徹底的に治療とケアが行われるんだね。入院が必要な頭痛って結構大変そうだけど、しっかりサポートがあると安心できそう。

頭医:うん、そうだね。日常生活に支障が出るレベルの頭痛がある場合は、早めに医師に相談して、必要なら入院治療も検討するのがいいと思うよ。

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頭痛の駆け込み寺

頭痛専門医 島田医師がわかりやすく頭痛について解説をする

●目的:

頭痛患者は多く、どの診療科でもよくみられる愁訴に関わらず、頭痛専門医(※)は少ないのが現状である。頭痛専門外来では、1日診られて100名程度、しかも患者1人に付き長くても5分程度しか割けない。そこで伝えきれない内容を補える専門医による情報発信の場をつくる。

それにより、わざわざ外来に訪れなくても解決できる内容や、ネット検索して誤った情報を得てしまう方に対して、安心して専門医の話を聞ける場所ともなる。

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※頭痛専門医とは?

日本頭痛学会が定めた申請資格(医師免許証・頭痛関連学会の専門医・5年以上の研修・頭痛関連疾患に関する発表など)を有し、資格審査および試験により認定された医師。

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●島田医師プロフィール

《経歴》

平成21年杏林大学 医学部卒業
杏林大学医学部付属病院 脳神経外科入局
都立神経病院
杏林大学医学部付属病院
都立多摩総合医療センター
水戸ブレインハートセンター
東京大学医学部 特別研究員


《学会・専門医》

日本脳神経外科学会 専門医、指導医
日本脳卒中学会 専門医、指導医
日本神経内視鏡学会 専門医
日本頭痛学会 専門医
日本医師会認定産業医


▶YouTube : https://www.youtube.com/@頭痛の駆け込み寺

頭痛の駆け込み寺
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